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<医院・歯科医院開業と医院経営のヒント>
毎月第2・4金曜日にお届けいたします。
2005年2月25日 第2号
上田公認会計士事務所発行
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著者へのご意見:uedacpa@mb.infoweb.ne.jp
ホームページ:http://www.uedacpa.com/index.html
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■「頑張る医院・歯科医院を応援します」―発刊の言葉―
こんにちは、上田久之です。
このたびお医者様の開業と経営改善に役立てていただくために
「医院・歯科医院開業と医院経営のヒント」というメルマガを発行
することにいたしました。今回で第2号となります。
私どもは300近くの医療福祉機関様の会計顧問・アドバイザーとして
医療福祉機関経営のお手伝いをしてまいりました。また、200以上の
医院・診療所・歯科医院の開業のご支援をさせていただきました。
その中でいろいろな問題に直面し、お医者様と一緒に問題を解決
していく中で、様々なノウハウを蓄積してまいりました。
日本には医療法人だけでも全国に37000以上もあり、毎年多くの
医院・歯科医院が開設されています。今までは医療費は年々増加の
一途をたどりお医者様の収入もそれなりに保証されてきました。
しかし、今後団塊の世代が定年を迎え高齢化社会に突入したときに
今の収入が保証されるとは限りません。
また、日本の医療制度はフリーアクセスということで患者さんが
医療機関を自由に選ぶことができます。
今後は医療制度の変革と患者さんによる医療機関の選別が一層進む
と考えられ、お医者様にも経営感覚が非常に要求される時代に
なります。
この多難な時代の幕開けに当たって、私どもが今までに蓄積して
きたノウハウを1人でも多くの医療関係者の方のためにほんの少し
でもお役に立てれば幸いです。
私たちは「頑張る医院・歯科医院」を応援します。
上田公認会計士事務所 上田 久之
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<今回の目次>
【今回の目次】
【医院・歯科医院開業と医院経営のヒント】
【次回の無料相談会】
【特典の紹介】
【スタッフ紹介】
【セミナー情報】
【次回の予告】
【編集後記】
【感想をお寄せください】
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■【医院・歯科医院開業と医院経営のヒント】
まずは、開業から話を始めますが、その中で既に開業している先生方
にも参考になるチェックポイントを取り上げてまいります。
2.開業計画のポイント―失敗しない開業計画の作り方
今回は、開業計画のポイント―失敗しない開業計画の作り方です。
要するに、会社で言えば事業計画に当たります。会社の事業計画が
すべての活動の基本になるように、開業計画は医院経営の基本と
なる大切なものです。
計画を書くことによって、忙しさから開放されます。
<目次>
2-1.経営方針、基本コンセプトの策定、リサーチ
2-2.家族の了解
2-3.勤務先・大学の了解:建築確認申請提出がタイムリミット
2-4.資金調達の目安
2-5.スタッフ確保の目安
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2-1.経営方針、基本コンセプトの策定、リサーチ
開業医の現状は決して甘いものではありません。職業として医師を
選んだのは大きな決断です。そこには先生が医師として何かやり
たいことがあったと思います。それが開業の原点となります。
開業してどのような医療サービスをどんな患者さんに提供していく
のか。あるいは、病気になる前の予防医学サービスを健康な人に
提供するのか。開業ではそういう医師としての原点が問われます。
経営方針や基本コンセプトといえば論理的に考えてしまいますが、
本質は感情的で体験的なものです。おばあさんが闘病の末亡く
なったのをみて、子供心に医者になって多くの患者さんを救い
たいという願いを持ったといった話を聞きます。
感情は人間の行動のエネルギー源です。医師開業の動機が深い感情
や体験に根ざしているほどエネルギーは高まり、一種の使命感が
沸いてきます。これが情熱です。
開業を成功に導くものは情熱以外にありません。
そして、情熱が夢になり、ビジョンとして形を現してきます。
先生はどのような医療サービスを患者さんに提供したいと
お考えでしょうか。
経営計画の最初に「先生が提供したい医療サービス」を書いて
ください。
では次に、先生の患者さんはどんな人でしょうか。具体的に
はっきりと思い浮かべてください。年齢、性別、住所、体型、
気質、気持ち、収入、住居、・・・・。
それではその患者さんに先生の提供したい医療サービスを提供
するには、どんな診療所にすればいいでしょうか。
外観はどんな感じですか。看板の色はどんな色でしょうか。診察室
と待合室の広さはどれくらい必要でしょうか。スタッフは何人
くらい必要でしょうか。診療時間は何時から何時がいいでしょうか。
医療器具や機器はどんなものが必要でしょうか。患者さんに先生の
診療所を知ってもらうにはどうすればいいでしょうか。
これらの先生の夢を実現するには費用はどれくらい必要でしょうか。
その費用はどうやって工面しますか。自己資金で足りない分は
借り入れも必要ですね。その返済計画も立てましょう。
開業すれば、先生は経営者です。あらゆる問題を自分で処理する
心構えが必要です。その心構えを持った上で、スタッフに協力して
もらうことになります。実務はスタッフに任せましょう。
医師と経営者と2足のわらじを上手に履きましょう。
先生の夢の実現に必要な投資には次のようなものが考えられます。
1、土地購入または借地に必要な資金(整地造成費、測量費、
保証金、事前の賃料等)
2、建物の建築または賃借のための費用(給排水、電気設備等の
付帯工事費、外構工事等の別途工事費、設計監理料、保証金、
内装工事費)
3、租税公課(土地建物取得時の不動産取得税・登録免許税、
契約時の印紙代等)
4、医療機器・備品等購入費
5、業務用システムの購入(レセプト、電子カルテ等の
コンピュータシステム)
6、医師会入会金(医師会により異なる)
7、広告宣伝費(開院案内、チラシ、看板代、開院披露
パーティ代等)
8、その他(消耗品、薬袋、カルテ等購入費用、開設までの
借入金利息、人件費、当初薬品・材料購入費、保険料、
コンサルタント費用他)
9、3〜4ヶ月の運転資金
収益の計算方法(収益のほとんどは保険診療収入と予想されます)
保険料収入=1日当たり外来患者数×1人1日当たりの診療単価
×年間稼働日数
費用項目には薬剤費、人件費、地代家賃、減価償却費・リース料、
その他の経費、支払利息があります。
収入は少なめに、支出は多めに見積もるのが収支計画のポイント
です。夢に形を与えてくれるのが開業計画書です。
2-2.家族の了解
開業医は個人事業主で、中小企業の経営者と同様、家族の理解と
協力が欠かせません。
開業に適した場所と生活を営みながら子育てをしたい場所とは
かならずしも一致しません。むしろ開業に適した場所は、子育て
には適していないというケースが往々にしてあります。住居兼用の
開業地を選ぶには、学区、買物の便利さ、住環境などをご家族と
よく話し合う必要があります。
場合によっては住居を引っ越す必要も出てきます。その場合は
開業の苦労に加えて自宅の処分、お子様の転校などの手続きまで
必要になってきます。たいていはご家族の方が事務処理をする
ことになります。
また、奥様がリースや賃借の保証人になるケースもあります。
さらに、ご両親に保証人になってもらったり、資金の提供を
受けたりするケースなどは家族の理解と支持なしでは何も
始まりません。
奥様の理解が得られず、保証人の印鑑がないためにドタキャンに
なったり、担保提供者である親が、投資が過大であるとして大幅
な設計変更を余儀なくされたりといったケースがままあります。
勤務医から開業する場合は、通勤について十分に考慮する必要が
あります。通勤は毎日のことですからどれくらいの時間を通勤に
当てるのかは大きな問題です。一日10分でも250日で2500分
となり、40時間以上のロスになります。
また、現在の住居で開業した場合も近所の方との人間関係が
変わってくる場合があります。勤務医の場合であればただの
ご近所さんでいいのですが、患者さんになるとお客様と言う
ことになり、今までと同じ関係を保てるとは限りません。
ご近所の目が気になって引っ越すというケースもあります。
2-3.勤務先・大学の了解:建築確認申請提出がタイムリミット
勤務先と大学との関係は良好に保つことが大きなポイントに
なります。その面では、勤務先は円満退職をすることが必要条件
だといえます。
勤務医として患者さんの評判をとった先生がそれまで勤めていた
病院の近くで開業するのは典型的な成功パターンです。勝利の
方程式と言ってもいいでしょう。そのためにも勤務先からの
円満退職が必要です。
後任の医師の手配には時間がかかります。最低でも半年から
1年は見ておく必要があります。後任の医師が決まらないのに
強引に退職することは後々禍根を残すことになりかねません。
開業の予定が狂う大きな原因のひとつは後任の医師が決まらない
ことです。開業の予定が延びると先生自身の金銭的な負担も
大きくなります。
開業まで空家賃を払うことになりますが、これは毎月数十万円に
なりますから、非常に大きな負担となります。また、雇い入れる
予定のスタッフにも待ってもらう必要がありますが、待ってもら
えれば非常に幸運といえます。スタッフも給料が入らなければ
待つわけにもいかず、他に職探しをする羽目になってしまいます。
さらに、もし借入金があった場合はその返済がスタートして
しまいます。
このように、開業予定が遅れると、収入が増えないのに支出
ばかりがかさんでしまい、大きなロスが発生してしまいます。
以上のような理由で開業の半年から1年位前までには勤務先に
開業の通知をしておく必要があります。
一方、戸建で診療所を開業しようとする場合には建築確認申請を
すると建築関係の業界紙に掲載されてしまいます。それまでに
関係先に開業の意思表示をしていないと、業界紙をチェックした
建築関係者から勤務先に知れ、気まずい思いをすることにも
なりかねません。
2-4.資金調達の目安
バブルの崩壊以後、金融機関の融資の姿勢には非常に厳しい
ものがありました。ここ10年来の不良債権問題で金融機関は
開業資金の貸し出しには慎重にならざるを得ませんでした。
特に都市銀行の融資を受けるのは非常に難しい状況が続いていま
した。また大阪地区は都市銀行のみならず、地方銀行の合併、
経営統合が相次ぎ開業資金の貸し出しには厳しいものがありました。
しかし、失われた10年を経て、ここ最近は銀行の融資姿勢にも
少し変化が現れてきました。不良債権処理に目途のついた一部の
都市銀行ではしっかりとした開業計画のある先生には、かなり
思い切った額の開業融資を行うところも出てきました。
また、銀行以外のノンバンクでは担保、保証金がなくとも開業
計画がしっかりしていれば開業資金を出してくれるところも
出てきました。
銀行とノンバンクを上手に組み合わせて開業計画をしっかりと
作っていれば資金力が乏しい先生でも開業が可能になって
きました。
開業に当たっての資金調達や土地建物の調達で気をつけなければ
いけないのは次のような点です。
大雑把な資金計画の下で、いい物件があったというので、ほかの
先生に取られる前に物件を押さえようと、手付けを打ったのは
いいけれども、肝心の資金が用意できないなどという極端な
ケースもあります。
また、持ち家を売却してその資金で開業物件を手に入れる場合に、
予定通り売却ができずに開業物件の契約だけが迫ってくるなどと
いう場合もあります。
あるいは、自己所有または親族の所有の物件の場合でも、トラブル
が発生する可能性があります。たとえば、自分の名義になっている
と思っていた不動産が父母の名義のままだったとか、全部自己名義
だと思っていたら半分は兄弟の名義だったということもあります。
極端な例では、100坪だと思っていた土地が100平方メートル
しかなかったということもあります。それ以外にも、空き家だと
思っていたら人に貸していたなどということになると開業の予定は
大幅に狂ってしまいます。
2-5.スタッフ確保の目安
開業計画ができ、資金繰りにも目処がついたら、スタッフの
確保を考えます。先生の夢の開業計画がいよいよ具体的な姿を
現してきます。
看護師、薬剤師、レントゲン技師、歯科技工士等々診療科に
よって必要なスタッフは異なります。また、どんな診療所に
したいかによってもそろえるべきスタッフの種類と数は
異なってきます。
これから長い間一緒に仕事をしていくわけですから、人選には
とても気を使います。一番いいのは勤めていた病院から気の
合う人を連れてくることです。その場合、気をつける点は、
病院との関係が悪くならないようにすることや労働条件を
明確にしておくことが必要です。
特に長年一緒に働いていた場合は口約束で済ましてしまいがち
です。彼の気持ちはよくわかっているというわけです。しかし、
それが後々のトラブルの元になることがあります。やはり人を
雇うということは労働契約を結ぶということですから、雇用
契約書を用意してお互いによく納得した上で契約を結ぶことが
肝要です。
職種でいえば事務員は比較的簡単に集まりますが、看護師などは
集めるのに苦労する場合があります。特に交通の便が悪いなどの
地域によっては集めるのに苦労することがありますので事前に
よく調べておく必要があります。
また、最低限の労働基準法等の知識は必要です。就業規則を
制定することと社会保険は完備しておいたほうがいいでしょう。
また、先生ご自身の問題として、休業補償、借入保障、生命保険、
健康保険、年金等の手当てはしておく必要があります。
<続く>
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■2月と3月の無料相談会
2月26日(土)
3月12日(土)
3月26日(土)
※午前10時から午後4時まで
大阪市中央区内平野町1−3−12 萬所ビル2F
上田公認会計士事務所にて
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■【特典の紹介】
特典1 診療所開業ガイドブックを無料で進呈!
これ一冊で医院・歯科医院開業の重要ポイントがよく分ります。
特典2 開業相談を受けた方には無料診療圏調査を実施!
立地相談(阪神間)、開業準備のタイムテーブル、開業時の税務、
資金調達のポイント、開業後の収支予測 、スタッフ採用のポイント
等の無料相談も実施中。
無料診療圏調査で収入の予測もできます。
特典3 病医院の経営情報を無料で提供!
無料の簡単会員登録だけで経営のお役立ち情報が手に入ります。
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■スタッフ紹介
今回はスタッフの梅田秀樹をご紹介いたします。
1、専門分野:資金調達コンサルティング
2、担当職:新規開業支援
3、生年月日:1954年11月15日
4、出身地:島根県
5、出身校:和歌山大学 経済学部
6、クラブ活動:バトミントン部(高校、大学、現在も現役)
7、家族構成:妻、長女、次女
8、趣味:ジョギング、読書、音楽鑑賞
9、好きな食べ物:和食
10、好きなタレント:三浦 雄一郎
11、好きなスポーツ:サッカー、水泳
12、興味のあること:世界経済の動向
仕事への思い:「最高の新規開業」を提供したい!
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■セミナー情報(ご報告)
第7回 新規開業セミナーを平成17年2月6日(日)に開催
いたしました。今回のセミナーも、アットホームな雰囲気の中、
気軽に意見交換などして頂きました。
主なセミナ−内容:
1、新規開業のタイムスケジュ−ル
2、開業好適地選びのポイント
3、診療所設計と建築のポイント
4、開業計画作成のポイント
5、資金調達のポイント、銀行の紹介
6、スタッフ採用のポイント
7、開業に関する税務
8、診療所と介護保険事業
日時:平成17年2月6日(日)
受付 午後1時00分〜午後1時30分
セミナー 午後1時30分〜午後5時00分
個別相談 午後5時00分〜午後5時30分
場所:上田公認会計士事務所
大阪市中央区平野町1丁目3−12 萬所ビル1階
定員:12名
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【次回の予告】
1、【医院・歯科医院開業と医院経営のヒント】
2、【開業計画のポイント―失敗しない開業計画の作り方】
3、【次回の無料相談会】 3月と4月の相談会の日程
4、【スタッフ紹介】
5、【セミナー情報】
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【編集後記】
計画を書くことによって、忙しさから開放されます。
80/20の法則は、みなさんご存知だと思います。これによって
あなたは忙しさから開放されるのです。
世に有名なコンサルティングの逸話に次のようなものがあります。
当時世界最大の鉄鋼会社であったUSスティールの社長チャールズ・
シュワブに1人の経営コンサルタントが面会を申し込みましたが、
何度訪問しても忙しさを理由に断られました。
そこで、そのコンサルタントは1枚のメモをシュワブの秘書を
通じて渡しました。
その数ヵ月後、シュワブからそのコンサルタントに百万ドルの
小切手が送られてきたという事です。
さて、メモには何が書いてあったのでしょうか。
メモには次のように書かれてありました。
(ア)夜寝る前に翌日しなければならない事を6つ書いてください。
(イ)次にその6つに優先順位をつけてください。
(ウ)翌朝目覚めたら優先順位が1位のものから実行してください。
(エ)優先順位の高いものが終了するまで次のことをしないで下さい。
(オ)6項目すべてが終了するまで実行してください。
(カ)これを少なくとも1ヶ月間実行してください。
チャールズ・シュワブはこの魔法のメモによって忙しさから開放
されました。
その秘密は80/20の法則です。
そしてその理由は次回お話しましょう。
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【感想をお寄せください】
このメルマガの内容に関して皆様方のご感想やご意見をお待ちして
います。皆様方と共に成長していくために疑問や質問等どんな
ご意見でもいただければとてもうれしく存じます。
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<発信者>
上田公認会計士事務所 上田 久之
大阪市中央区道修町1−7−10 扶桑道修町ビル3F
TEL 06−6222−0030
FAX 06−6222−0038
ホームページ http://www.uedacpa.com/index.html
MAIL uedacpa@mb.infoweb.ne.jp
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