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※平成23年より一人医師医療法人の設立が急激に増加しているのがわかります。
平成12年~17年 | 1,378件 (平均) |
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平成18年 | 1,545件 |
平成19年 | 2,371件 |
平成20年 | 560件 |
平成21年 | 345件 |
平成22年 | 353件 |
平成23年 | 871件 |
平成24年 | 845件 |
平成25年 | 840件 |
平成25年9月末法人数 | 40,378件 |
(厚生労働省統計より)
一人医師医療法人が急増している背景には次の7つのメリットが考えられます。
・ 所得税率(最高税率)の推移 70%→50%→37%→40%→45%
・ 中小法人の軽減税率(年800万円以下、復興税別) 28%→25%→22%→18%→15%
ハイレベルな 老後の生活確保 |
50万 (30万) |
50万×12月×20年+ 30万×12月×8年 |
1億5,000万 |
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必要資金 1億5,000万 | 必要資金 1億5,000万 |
(個人) | (医療法人) |
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国民年金(夫)1,180万 |
厚生年金(夫)5,280万 |
差引要自己積立額 9,720万 | 差引要自己積立額 0 |
※個人の場合は9,720万円の老後資金の積み立てが必要になります。
具体的には、19年4月以降設立された医療法人は持分が無いため、法人の内部留保に対する相続税はかかりません。
質の高い医療サービスを提供するためには優秀な人材の確保が欠かせません。 また、求職者は厚生年金適用事業所を選好する傾向があるにも拘らず、診療所に勤務する看護職員のうち、約70%が厚生年金の適用がありません。
大阪府下 診療所数(平成21年) |
8,231人 |
大阪府看護職員受給見直し (平成25年度) |
病院 66,400人 |
診療所に勤務する10,600人のうち、約7,000人が厚生年金の適用されていない事業所に勤務していることを考慮すると、厚生年金適用事業所になることは他の診療所に比べて質の高い人材を獲得する武器になります。
質の高い医療サービスを提供するためには優秀な人材の確保が欠かせません。
首都圏の個人診療所では歯科衛生士の採用が非常に困難な状況になっています。
歯科衛生士求人倍率
首都圏 23.0倍(リクルート誌より)
全 国 13.6倍(厚労省資料)
大阪においても、歯科衛生士専門学校の卒業予定者に対する求人倍率は軒並み10倍を超えており、たとえば大阪のある歯科衛生士専門学校のホームページによりますと定員の50名に対して求人が1000名となっています。
大阪府下 歯科診療所数 5,451(平成22年)
うち一人医師医療法人 671
法人化率 12%>
特に歯科衛生士の需給は逼迫しており、厚生年金適用事業所である医療法人のほうが、衛生士採用において優位性があると考えられます。法人化率の低い「今」がチャンスといえます。
一人医師医療法人設立のデメリットには下記のものがあります。
それぞれの医院の状況により、具体的な数字で検討する必要があります。法人化のメリットとデメリットについて専門家にシミュレーションをしてもらったほうがいいでしょう。
法人は社会保険が強制加入となり、医院とスタッフの双方に保険料の負担が増加します。
法人では役員報酬として支払われるため可処分所得が減少する場合があります。
医療法人は決算終了後3ヶ月以内に、都道府県知事等に事業報告書を提出する必要があります。
個人事業から医療法人に引き継ぎできない借入金がありますので、個人の借入が多い場合には法人化できない場合があります。
医療法人を解散するには医療法に定める解散事由が発生しなければなりません。
個人事業と法人の税制の違い等により、ある程度所得が高くなければ法人化するメリットがなくなります。どの程度の所得があれば法人化のメリットがあるのか専門家とよく相談する必要があります。当事務所の法人成シミュレーションがお役に立ちます。