公益社団法人の運営

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公益社団法人の運営

公益社団法人の計画・予算

【作成する書類】

書類名 内容 留意点
事業計画書 当該事業年度に実施する事業を明確に記載してください 。 ・実施する公益目的事業は必ず記載してください。
収支予算書 当該事業年度に係る損益ベースの予算を公益目的事業会計、収益事業等会計及び法人会計の3つの会計に区分して作成してください。
・財務三基準(収支相償、公益目的事業比率及び遊休財産の保有制限)の要件を確認ください。
・予算は配賦後の金額となります。
資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類 以下を記載した書面の作成を行ってください。
・資金調達の見込み(借入れ)
・設備投資
 

【手順】

手順 内容 留意点
①承認 定款において定めた機関で承認してください 。 ・モデル定款では理事会決議となっていますが、定款の定めにより社員総会や評議員会とすることも可能です。
②提出 事業年度開始の日の前日までに行政庁へ提出しなければなりません。
【提出書類】
・事業計画書

・収支予算書

・資金調達及び設備投資の見込みを記載した書面

・理事会等の承認を受けたことを証する書類
・特例法人のような期限の猶予はありません。
③修正 事業計画や収支予算を修正する場合でも、改めて提出する必要はありません。 場合によっては変更認定が必要になります。
詳しくは、『変更認定・変更届出の違い』をご参照ください。

公益社団法人の決算

名称 作成義務のある法人
貸借対照表(BS) 全ての法人
貸借対照表内訳表 収益事業等の利益額を50%超えて繰り入れる法人。
なお、一旦50%超の繰り入れを行った場合には、その後の繰り入れが50%に留まった時にでも、継続性の観点から区分経理を維持することが適当です。
正味財産増減計算書(PL) 全ての法人。
なお、財産目録において、公益目的保有財産は、その他の財産の勘定科目と区分して表示しなければなりません。
正味財産増減計算書内訳表
財務諸表に関する注記
財産目録
計算書類(※1)の附属明細書
キャッシュフロー計算書 会計監査人の設置が義務付けられている法人。(※2)
事業報告・事業報告の附属明細書 全ての法人
※1 計算書類とは、貸借対照表と正味財産増減計算書を言います。
※2 会計監査人の設置が義務付けられている法人は以下のいずれかに該当する法人です。
・PLの収益の部に計上した金額が合計1,000億円以上
・PLの費用と損失の額の合計額が1,000億円以上
・BSの負債の部に計上した金額が合計50億円以上

公益社団法人の予算・決算の流れ

予算・決算関連書類一覧

備考:○=必要 ×=不要





































事業計画書 × × ※2 ×
収支予算書 × × ※2 ×
資金調達及び設備投資に係る見込を記載した書類 × × ※2 ×
会計帳簿 × × × × × ×
計算書類
・貸借対照表
・正味財産増減計算書
・財務諸表に対する注記


※1
※1
※1







※3




計算書類の附属明細書 ※1 × ×
事業報告 × 報告
のみ
×
事業報告の附属明細書 × × ×
財産目録 ×
キャッシュフロー計算書※4 ×
運営組織及び事業活動の状況の概要及びこれらに関する数値のうち重要なものを記載した書類 × × × × ×

※1会計監査人を設置している場合は、会計監査人の監査を受ける必要があります。
※2定款により社員総会の決議を要する旨めている公益社団法人は、社員総会の決議を要します。
※3負債額200億円以上の大規模公益社団法人は、正味財産増減計算書の公告も必要となります。
※4会計監査人を設置している場合は、作成義務があります。

公益社団法人の情報公開

計算書類の備置き及び閲覧等

開示対象

備置き場所

備置き期間

閲覧請求者

定款 全ての事務所 常時 制限なし
社員名簿 主たる事務所
社員総会の委任状
議決権行使書
主たる事務所 社員総会の日から3か月間 社員
社員総会 議事録
(決議の省略時の意思表示書面を含む)
主たる事務所 社員総会の日から10年間 社員
債権者
社員総会 議事録の写し 従たる事務所 社員総会の日から5年間
理事会 議事録
(決議の省略時の意思表示書面を含む)
主たる事務所 理事会の日から10年間
会計帳簿 - 帳簿閉鎖時から10年間 一定の社員
事業報告
収支予算書
資金調達及び設備投資に係る見込みを記載した書類
主たる事務所
及び
従たる事務所
毎事業年度開始の日の
前日から当該事業年度
末日まで
制限なし
計算書類
事業報告
これらの附属明細書
監査報告
会計監査報告
主たる事務所 定時社員総会の日の
2週間前の日から5年間
従たる事務所 定時社員総会の日の
2週間前の日から3年間
財産目録
キャッシュフロー計算書
役員等名簿
理事・監事の報酬等の支給基準
運営組織及び事業活動状況の概要及びこれらに関する数値のうち重要なものを記載した書類
一定の規程類
主たる事務所 毎事業年度経過後3か月以内の日から5年間
従たる事務所 毎事業年度経過後3か月以内の日から3年間

決算公告

大規模公益社団法人

大規模公益社団法人以外の法人

公告の時期 定時社員総会の終結後遅滞なく
公告する書類 ・貸借対照表
・正味財産増減計算書
・貸借対照表

公告の方法

公告期間

官報
時事掲載日刊新聞
電子公告 定時社員総会の日から5年間
見やすい場所に掲示 公告の開始後の1年間

変更認定・変更届出の違い

変更認定が必要な場合合

1 公益目的事業を行う都道府県の区域(定款で定めるものに限る)の変更
※変更認定不要の場合あり。変更届出が必要な場合2. 参照。
2 主たる事務所又は従たる事務所の所在場所の変更(従たる事務所の新設又は廃止を含む)
※変更認定不要の場合あり。変更届出が必要な場合3. 参照。
3 公益目的事業の種類(認定法別表において該当する号)の変更
4 公益目的事業又は収益事業等の内容の変更(新規事業を立ち上げる場合及び事業の一部を廃止する場合を含む)(*1)
※変更認定不要の場合あり。変更届出が必要な場合4. 参照。

(*1) 特定費用準備資金について、資金を取り崩して他の事業に使用する場合は、資金の目的である事業内容の変更として、変更認定が必要です。また、数年後に新規事業の立上げを予定しており、あらかじめ特定費用準備資金又は資産取得資金のみを計上する場合についても、事業の内容の変更として変更認定を受ける必要があります。

変更届出

1 法人の名称又は代表者の氏名の変更
2 公益目的事業を行う都道府県の区域の変更のうち、行政庁(内閣総理大臣or都道府県知事)の変更を伴わないもの
3 主たる事務所又は従たる事務所の所在場所の変更のうち、行政庁(内閣総理大臣or都道府県知事)の変更を伴わないもの
4 公益目的事業又は収益事業等の内容の変更のうち、事業の公益性についての判断が明らかに変わらない場合など、公益認定申請書の記載事項の変更を伴わないもの
5 定款の変更(ただし、変更認定に伴って定款を変更する場合は除く。)
6 理事、監事、評議員又は会計監査人の氏名若しくは名称の変更
なお、任期満了により退任した後、引き続き再任される場合は届出不要。(変更登記は必要)
7 理事、監事及び評議員に対する報酬等の支給の基準の変更
8 事業を行うに当たり必要な許認可等の変更(新たに許認可等が必要になった場合を含む)

公益法人の寄附税制

法人(会社等) ⇒ 公益法人へ寄附

※ 特定公益増進法人への寄附は、通常の寄附金の限度枠(左の箱)ではなく、公益法人への寄附特別枠(右の箱)の範囲内で法人税の損金へ算入することができます!

個人 ⇒ 公益法人へ寄附

※ 特定公益増進法人への寄附は、以下の所得税優遇措置を受けることができます!

国税(いずれかの所得税等の優遇措置を選択できます)「所得控除:特定公益増進法人に対する寄附金の合計額-2,000円、限度額:総所得金額×40%」「税額控除:控除額(税額控除対象寄附金-2,000円)×40% ※なお、税額控除対象寄附金は、一定の所得の40%まで、限度額:総所得金額×25%」

地方税「税額控除:控除額(税額控除対象寄附金-2,000円)×10% ※なお、税額控除対象寄附金は、一定の所得の40%まで、限度額:総所得金額×25%」

※ ただし、税額控除は、税額控除対象法人としての承認を受けていることや、都道府県・市区町村が条例により指定した寄附金であることが必要です。